自動車用語

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作成日: 23/08/04

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更新日23/08/04

【用語集】ハイドロプレーニング現象

01. ハイドロプレーニング現象とは?

ハイドロプレーニング現象とは、タイヤと路面の間に水の膜ができ、タイヤが浮いた状態になることにより、ハンドルやブレーキなどの操作ができなくなる現象です。アクアプレーニング現象ともいい、雨天時や水たまりなどの路面、特に高速道路で発生するケースが多く見られます。
路面の水分量とタイヤの排水量のバランスによって起こる現象なので、空気圧の低下やタイヤの溝が浅くなると発生しやすくなります。
ハイドロプレーニング現象は運転技術による解決は困難なため、現象を起こさない対策や運転をすることが求められます。

02. ハイドロプレーニング現象の原因

ハイドロプレーニング現象が起こる原因はいくつかあります。主な原因は以下の通りです。

●雨天時の高速走行

ハイドロプレーニング現象が起きやすい原因は走行速度です。雨天時に時速80㎞以上で走ると起きやすくなる傾向にあります。車の速度が上がるとタイヤは浮きやすくなり、排水性が低くなるため、水の膜ができやすくなります。

●タイヤのすり減り

タイヤが古く摩耗が激しいと、タイヤの排水機能が低下し、タイヤが浮きやすくなります。2〜3万㎞以上走っていてタイヤを交換していない場合は、新しいものに変えるか、雨天時の走行では速度を上げすぎないよう注意が必要です。

●タイヤの空気圧が低い

タイヤの空気圧が低いと地面とタイヤの接地面が広がり、水がタイヤの溝から外へ排出されるまでに時間がかかるので、水の膜ができやすくなります。もともとタイヤのゴムは空気を通す素材のため、時間の経過とともに空気圧が下がっていきます。定期的にタイヤの空気圧を点検するようにしましょう。

03. ハイドロプレーニング現象の防止策

では、ハイドロプレーニング現象が起きないようにするには、事前に準備しておくことが重要です。具体的な対策不法を紹介します。

●スピードを出しすぎない

そもそも雨の日や路面の状態が悪いときは、ブレーキが効きにくく事故のリスクが高まります。時速が80kmを超えるとハイドロプレーニング現象が発生しやすくなるといわれているため、速度を抑えた慎重な運転を心がけましょう。

●タイヤの空気圧チェック

タイヤの点検を定期的に行うことが重要です。ガソリンスタンドやタイヤ専門店などでタイヤの点検が受けられるので、給油の際に空気圧や摩耗状態を確認しましょう。タイヤが古くなると摩耗のため排水機能が低下するので交換は早めにしておくと安心です。

●状況に合わせたタイヤの選択

季節に合わせて、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤを適切に使い分ければ摩耗の軽減も図れます。同じタイヤのままでもハイドロプレーニング現象が起こるとは限りませんが、状況に合わせたタイヤを選べば、よりよいドライブが楽しめます。

このほかにも、運転時に道路の状況をよく見ておき、大きな水たまりがないか、あれば早めに避けるなどの対策も有効です。

04. ハイドロプレーニング現象が起きた時の対応

ハイドロプレーニング現象が起きるとハンドリやブレーキなどの操作がコントロールできなくなります。その場合は「何もしないこと」が一番の対処法です。何か対応しなければと思いがちですが、落ち着いて減速するのを待ってから操作を再開します。

●焦らず冷静に対応する

走行中に異変を感じたら、何よりも冷静でいることが重要です。ハイドロプレーニング現象が起きたと認識した際には、操作をせずにタイヤのグリップが自然に回復するのを待ちます。カーブなど進行方向の状況によっては、ステアリングの操作が必要になる場合もあるので、落ち着いて対応しましょう。

●周囲へ注意喚起する

コントロールが効かなくなった車が横滑りするなど、ほかの車に影響を及ぼすこともあります。少しでも被害を抑えるため、クラクションで周囲への注意喚起を促しましょう。

●急ブレーキや急ハンドルはNG

とっさにハンドルを切ったり、急ブレーキをかけたりするのは逆効果です。ハイドロプレーニングから回復しはじめたときに、急な加速やスピンを引き起こす可能性や、周りの車を巻き込む事故などの二次被害につながるケースもあるので注意が必要です。

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