中古車オークションとは？仕組みや業者選びのポイントを解説

「中古車を買いたい」あるいは「中古車を売りたい」とみなさんが思ったとき、すぐに思い浮かぶのは中古車店でしょう。中古車店と一口に言ってもさまざまで、「買取」だけをしている業者もあれば、「販売」だけをしている業者、またその両方を手がけている業者もあります。
中古車店は、例えば「こんな車がほしい」とお客さんから要望を受けると、そのニーズに合った車を探します。自社在庫から見つける場合もあれば、他店から仕入れる場合もあり、従来こうしたやり方が中古車業界ではスタンダードでした。
しかし、これだと、仕入れの状況など場合によっては、思った以上に価格が上がってしまうということも起こりかねません。そこで今、注目を集めているのが中古車オークションなのです。

中古車オークションとは、中古車の買取業者が出品者となり、販売業者が落札者となる、中古車業者間の取引の仕組みです。オークションに参加できるのは資格のある業者のみで、個人では参加することができません。
「参加できないの？」という声が聞こえてきそうですが、安心してください。個人で参加したい場合は、代行業者を選ぶことでそれが可能になります。

〈安さの理由〉

中古車オークションでは、車の本体価格だけで取引が行われます。ここに「安い」と言われる大きな理由があります。中古車店では手数料に加えて、人件費・広告費などの費用分も上乗せされるため、結果的に価格が高くなってしまうことがしばしば。その点、オークションでは基本的に車本体に対しての価格が決まります。
もちろん代行業者に依頼すると手数料はかかります。しかし人件費や広告費などの経費が必要ないことから、中古車店より安く購入できると言われています。

では、個人が車を「売りたい」または「買いたい」と思ったとき、代行業者に依頼するケースを想定して、中古車オークションの主な流れについて見ていきましょう。

●査定

「売りたい」人が代行業者（出品者）を選びます。代行業者によって車がオークション会場に持ち込まれ、車の状態などが〈出品票〉に書き込まれます。会場側が第三者の公平な視点で、保存状態や修理歴などを厳しくチェックします。
査定内容は出品票に記入され、その際〈評価点〉が付けられます。評価点の最高点は5点で、3点以下になると標準を下回るイメージです。

●入札

「買いたい」人が代行業者（落札者）を選びます。そして希望の車種や入札の限度額などを伝えます。
会場では、代行業者が出品されている車を間近でチェックします。実際にエンジンをかけてみたり、写真を撮って依頼人にメールやSNSで送ったりすることも可能です。依頼人は会場に入ることはできませんが、出品票を見ることはできます。
こうして代行業者が直接またはインターネットなどで入札を行います。オークションは複数台の車が同時進行で行われます。

●落札

多くの場合、数十秒ほどで落札され、オークションは終了します。もし「売りたい」人の希望価格を超えていない場合には、〈流札〉となります（ただし手数料は戻ってこないのが通常です）。
無事に競り落とされれば、車は出品者から落札者に引き渡され、名義変更の書類も渡されます。落札者が手続きを済ませると、車は晴れて「買いたい」人のものになり、一方で「売りたい」人には代金が支払われます。

中古車オークションにはメリットが多い半面、デメリットもあります。ここでは主に「買いたい」人の視点から、それぞれについて解説していきます。

〈中古車オークションのメリット〉

●適正価格で購入できる

すでに述べたように、中古車オークションの最大のメリットは、適正価格でほしい車が手に入ることです。場合によっては、かなり安く購入できることがあります。

●レアな車に出合える

珍しい車に出合える確率が高いのも、オークションならでは。より多くの人に見てもらえるオークションには、希少なモデルの車種が出品されることがよくあります。

●多くの車が見られる

中古車オークションに出品される台数は、中古車店で選ぶ数をはるかに超えています。その中から、自分の条件に合った車がきっと見つかるはずです。

こうしたメリットは「売りたい」人にとっても同じことです。つまり「車をできるだけ多くの人に見てほしい」と思っている人と、「できるだけたくさんの車を見たい」と思っている人のマッチングの場がオークションと言えます。

〈中古車オークションのデメリット〉

●試乗ができない

オークション会場には個人では入れないため、事前の試乗などはできません。代行業者を信頼して任せる、というのが基本スタンスになります。

●整備費用は自己負担

中古車オークションでは車の本体価格のみで取引されるため安い、ということは先に述べましたが、逆に言えば、整備が必要な際には費用を自己負担しなければならないという可能性も否定できません。

●時間がかかる場合もある

中古車店で選ぶのと違い、中古車オークションではほしい車を手に入れるには最短でも数日を要します。また流札になれば、最初からやり直さなければなりません。

「売りたい」人にとっても時間がかかることはデメリットでしょう。しかし納得のいく売買をするためにはある程度の日数を要すること、また安く手に入るのは理由があることなどを理解しておくことが大切です。

信頼できる代行業者を見極めるためには、何を判断基準にすればよいのでしょうか。ここでは、代行業者を選ぶ際のポイントを2つほど挙げておきます。

●社会的信用があるか

まず何より大事なのは、社会的に信用できる業者かどうかです。業務内容や実績などの会社概要を、ホームページなどでしっかり確認しておきましょう。

●過去のオークション情報を公開しているか

中古車オークションは業者間取引なので、実際の落札価格がいくらか、個人では知ることができません。過去のオークションに関する情報を、きちんと公開しているところを選ぶようにしましょう。

こうしたことをベースとして、以下のようなことも事前にチェックしておくことをおすすめします。

●手数料について

これは真っ先に確認しておきたいところです。入札と落札の手数料は別々に設定されているのが一般的です。どんな費用がどんなときに必要なのかを知っておきましょう。

●アフターフォローについて

万が一、落札後に不備が見つかった場合、無償での修理や返品対応はしてもらえるのか、確認をとっておくと安心です。

●車両のチェックについて

自分自身で車両を確認しなければどうしても不安だという方もいるでしょう。そんな方は、契約前に自分の目で車の状態を確認できるかどうかを相談することをおすすめします。

このような事前確認によって、「任せる」ことのリスクは大幅に軽減します。つまり中古車オークションでは、リスクを理解したうえで賢い代行業者選びをすることが大切です。それでこそ満足度の高い取引ができます。

中古車オークションとはどのようなものか、その流れ、メリット・デメリット、さらに代行業者選びのポイントなどについて解説してきました。
車を買いたい人にしてみれば、たくさんの選択肢の中から条件に合った車を安く購入することができる中古車オークションは魅力的です。また売りたい人にとっても、フェアなマッチングの場としてうれしい仕組みです。
テルミーは一人ひとりと誠実に向き合う代行業者として、中古車を「売りたい」「買いたい」というみなさまをサポートいたします。中古車に関する最新情報も随時ご提供しておりますので、気軽にお問い合わせください。